こんにちは!
4月に入社した森本君の新人研修を兼ねて「急傾業務」の現場に行ってきました。本日の教育指導者は、ベテラン技術者の山中調査課長です。
現場は、会社から車で40分ぐらいのところにあります。
現在、斜面の裾部を掘削し急傾斜地崩壊対策として擁壁が施工されています。
本日の研修内容は、計画擁壁背面の切土面に露出している岩盤の種類と岩盤の走向・傾斜の測定方法について行います。
山中課長:「さっそくですが、切土面に露出している岩盤にはどんな特徴がありますか?」
森本 :「砂のような粒が見える岩と粒が細かく見えない岩が重なり合っています」
山中課長:「そうですね!」「では、この岩盤の種類は何かわかりますか?」
森本 :「はい!たしか砂の粒が見えるのが『砂岩』で、粒が細かく見えないのが『泥岩』だったと思います」
山中課長:「はい、そうです!」
「全体的にみると泥岩が主体に分布しているので、『泥岩優勢砂岩・泥岩互層』でいいと思います」
山中課長:「次は岩盤の走向・傾斜を見ていきましょう!」
「この岩盤が堆積した面の方向と、その面の傾斜方向がどうなっているかわかりますか?」
森本 :「・・・ちょっとわかりません」
山中課長:「近くでみるとわかりにくいので、少し離れて全体を見れば何となく見えてくると思いますが、どう
ですか?」
森本 :「はい、なんとなくですが、切土面の左から右方向に堆積面が連続しているように見えます」
「それと堆積面は山側(北側)に傾いているように見えます」
山中課長:「そうですね!」
「それでは、代表的な箇所をクリノメーターを使って走向・傾斜を確認しましょう」
「クリノメーターの長辺を堆積面に密着させて、水準器が水平になるように固定します」
「Nを基準にN〇〇°EまたはWと記録します」
「この方向が岩盤の走向となります」
「次にクリノメーターの長辺が傾斜方向に向くように密着させ、この時の角度を〇〇°NまたはSと記録
します」
森本 :「岩盤の走向はN72°E、傾斜は60Nです」
山中課長:「はい、いいと思います」
「堆積面の走向は概ね東西方向で北側に傾斜しています。切土面は南向きなので、地質構造は
切土面に対し受け盤構造となります」
今日は、切土面に出現している岩盤の種類と走向・傾斜の測り方ついて実際に現場で体験してもらいました。
本日の感想
4月の研修で学んだ岩種と岩盤の走向・傾斜について、現地で直接見て、触って確認することができ勉強になりました。このほかに、切土面に湧水が出ていたのですが、要因を考えるときに周りの地形をよく見ることで、自ずと答えが出てくることがわかりました。今後も、色々な現場に行くことになると思うので、今回の経験を生かしていきたいと思います。
技術事業部 調査課 森本
― 本日は、お疲れさまでした ―