1月27日は、四国地質調査業協会高知支部主催の「地すべり現地研修会」がありました。
この研修会は、毎年1~2月に実施している会で、今年で3回目です。
今年も、産官学の様々な年代の技術者が参加されていました。
今年の現場は、吾川郡いの町の「打木地すべり」でした。
打木地すべりは、一級河川仁淀川の上流に位置する地すべり地で、高知市内からは約25km離れています。
9時に「土佐和紙工芸村くらうど」でオリエンテーションを行った後は
仁淀川を眺めながら打木地区へ移動。
参加者のみなさんは、4班に別れて現地踏査を行いました。
踏査では、地すべりで発生した亀裂等の地形変状やすべり面露頭、ボーリングコア等を観察して
地すべりブロック範囲とすべり面深度を推定しました。
案内役の説明を聞きながら、地形図に情報を書き込む参加者のみなさん↓
小さな変状と、周辺の地形を観察し、図面に示された全体図と見比べて
地すべりブロックを推定していきます。
私はスタッフとして、地すべりブロック頭部付近の説明係をしました。
頭部付近では、既設の集水井や
地すべり活動の影響で移設を行った公民館や
周辺地形等の説明を行いました。
現地踏査後は再び「土佐和紙工芸村くらうど」へ。
高知大学大学院生のTさんから「打木地すべりの地質構造」、
高知大学名誉教授の日浦先生から「地すべり地の地下水の水質特性」について講義していただきました。
講習の後は、踏査を行った班に分かれて地すべりブロックのとりまとめ。
とりまとめ中は、熟練の技術者が若い技術者に航空写真の見方を説明したり
それぞれの見解について議論を交わしたりしながら
発表用図面にブロックを記載していきました。
とりまとめたブロックは代表者が発表。
同じものを見ていても、各班で異なるブロック形状を想定していました。
地すべりは奥深い・・・。
各班の発表後は、地すべりブロックとすべり面深度の答え合わせを行い
ブロック想定の地質的・地形的なポイントを確認。
その後の質疑応答でも熱い議論が交わされました。
今年の現地見学会は、年度末の多忙期にもかかわらず、40名もの方々に参加していただきました。
みなさん、ありがとうございました。
かも